煮浸にびたし)” の例文
三四郎は鮎の煮浸にびたしあたまくわへた儘女の後姿うしろすがたを見送つてゐた。便所に行つたんだなと思ひながらしきりに食つてゐる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
豆腐も駄菓子もつッくるみに売っている、天井につるした蕃椒とうがらしの方が、よりは真赤まっかに目に立つてッた、しなびた店で、ほだ同然のにしんに、山家片鄙へんぴはおきまりの石斑魚いわな煮浸にびたし
唄立山心中一曲 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)