煙硝えんせう)” の例文
「間違ひはありません、それに音がすると、プーンと煙硝えんせうの匂ひがして來ました。これは他の匂ひと間違へつこはありませんから」
ロレ さうした過激くわげき歡樂くわんらくは、とかく過激くわげきをはりぐる。煙硝えんせうとが抱合だきあへばたちま爆發ばくはつするがやうに、勝誇かちほこ最中さなかにでもほろせる。
武器の音や煙硝えんせうの匂はそこからは少しも起つて来ない。唯桃色の白のしまのある三角の帆だけ風をはらんである。
「鐵砲の音のやうでした。驚いて音のした方へ飛んで行くと、川の方へ向いた部屋は煙硝えんせうにほひで、お佛壇の前には、旦那がこんな具合に」
「傷口の具合や煙硝えんせうの匂ひなどから、佐渡屋の主人は鐵砲で撃たれたらしいんだ。隣に住んで居るお前に、それがわからなかつた筈はあるまい」
「それに、あの家から、時々煙硝えんせうの匂ひがするさうですよ、隱し鐵砲は遠島だ。それだけでも何とかなりやしませんか」
「川の中からだつて撃てるよ。尤も船から撃てば、煙硝えんせうの煙は川へ散つて、家の中までは大して匂はないだらうが」
「萬一の時の用意、この穴倉には、煙硝えんせうを一パイ詰めた箱があります。私はツイ今しがた、それに差し込んだ火繩へ、チヨイと火を付けて參りました」
煙管きせるなんかくはへて覗く奴があるか。そいつは煙硝えんせうだよ。——火が移つて見ろ、お前も俺達も木ツ端微塵みぢんだぞ」
と夕空に木靈こだまして、紛れも無い鐵砲の音、彈丸は平次の耳をかすめるやうに、木立の中に射ち込まれた樣子です。續いて、プーンと匂つて來る煙硝えんせうの臭ひ。
勝手を知つた大廣間の中へ入ると、プーンと鼻を衝く煙硝えんせうの匂ひ、地雷火の口火は早くも點けられたのでせう。
プーンと煙硝えんせうが臭ひます、尚ほも念入に見ると、竹筒はそれ程嚴重に卷いて居るのに割れが來て居り、元の方には小さい木の栓と臺が取付けてあり、その端つこに穴を開けて
煙硝えんせうの合せ方を教へるのを、そつと盜み聽きして、同じ物をこさへた奴があるに違えねえ、その野郎が猪之助が物干場から二階を狙つてゐるのを見て、そつと店から二階の廊下に出
あの晩半兵衞が一杯飮んで、きうゑられてウトウトするのを見ると急に殺す氣になつたのだらう。隣の離屋には煙硝えんせう彈丸たまも込めて先刻半兵衞が武家に見せた見本の鐵砲がある。