瀬踏せぶみ)” の例文
やがて意地汚いじきたな野良犬のらいぬが来てめよう。這奴しゃつ四足よつあしめに瀬踏せぶみをさせて、いと成つて、其のあと取蒐とりかからう。くいものが、悪いかして。あぶらのない人間だ。
紅玉 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
せめて一の子分の八五郎さんに瀬踏せぶみをして貰ひ度いといふ話で、瀧野川の御稻荷樣から辨天樣におまゐりする積りで、ちよいと寄道をして、覗いて來ましたがね
危険な瀬踏せぶみも承知の前である、真っ先に私がブリッジを駈け降りると、続いて庄亮、その他のロッペン団員がおなじく斜めの飛沫しぶきで濡鼠になりながら、パッパッパッと伝馬へ躍り込む。
フレップ・トリップ (新字新仮名) / 北原白秋(著)
いわゆる瀬踏せぶみである。
這奴しゃつ四足よつあしめに瀬踏せぶみをさせて、いとなって、その後で取蒐とりかかろう。食ものが、悪いかして。脂のない人間だ。
紅玉 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
掴むやうな話で、氣が乘らねえから、お前に瀬踏せぶみをして貰はうと思つたのだよ
私は曰附いわくつきの家へ瀬踏せぶみに使われたんだとは気が着きませんや。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)