湿じめ)” の例文
旧字:
本堂は桐紋きりもんの幕に囲まれていた。それも、廻廊も、さぎはしも、梅雨湿じめりで水気を含んでいないものはない。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
われ心に打ちうなづき、薄湿じめりせる石階のほの暗きを爪探つまさぐりて、やゝ五六段ほどくだり行きしと思ふ処に扉とおぼしき板戸あり。その中央に方五寸ほどの玻璃はり板を黒き布にて蔽ひたるがめ込み在り。
白くれない (新字新仮名) / 夢野久作(著)
わが宿の竹の林の春湿じめり昼やや闌けて軒に音あり
風隠集 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
幸「浴衣が湿じめついたから」
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)