淡海あふみ)” の例文
或る時天皇、近つ淡海あふみの國に越え幸でましし時、宇遲野うぢのの上に御立みたちして、葛野かづのみさけまして、歌よみしたまひしく
もう一つのは、「我妹子に淡海あふみうみの、沖つ浪来寄す浜辺を、くれぐれと独ぞ我が来し、妹が目を欲り」
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
境を定め邦を開きて、ちか淡海あふみに制したまひ一二かばねを正し氏を撰みて、とほ飛鳥あすかしるしたまひき一三
相坂あふさかをうちでてれば淡海あふみ白木綿花しらゆふはななみたちわたる 〔巻十三・三二三八〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
かれ上にいへる若建の王、飯野の眞黒比賣に娶ひて生みませる子、須賣伊呂大中すめいろおほなか日子ひこの王。この王、淡海あふみ柴野入杵しばのいりきが女、柴野比賣に娶ひて生みませる子、迦具漏かぐろ比賣の命。
淡海あふみうみ夕浪ゆふなみ千鳥ちどりけばこころもしぬにいにしへおもほゆ 〔巻三・二六六〕 柿本人麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)