消化こなれ)” の例文
そして出来る事なら天国へく折にも、こんな消化こなれのいい物を食つて、こんな軽いくつ穿いてゐたいと思つた。
「こりゃうまくはなさそうだけれど、消化こなれがいいてえから、病人に上げて見てくんな」
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
ロツクフエラアの積りでは、疲労タイヤ護謨輪タイヤにもぢつた言葉の洒落らしいが、実際食後のお喋りは、どうかすると聴衆をげんなりさせて、おなか消化こなれまで悪くさせるものだ。
茶話:12 初出未詳 (新字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
賄方の、余り庖丁加減が上手なので、食物たべもの消化こなれが良すぎたのだつた。
トオマス嬢はある日の夕方ゆふかた美しく刈込まれた学校の校庭カムパスを散歩してゐた。晩食ばんめし消化こなれのいゝ物でうまく食べたし、新調のくつ繊細きやしやな足の裏で軽く鳴つてゐるので、女博士をんなはかせはすつかりいい気持になつた。