いけ)” の例文
年中鉄舟先生てっしゅうせんせいやら誰やらの半折物はんせつものが掛けてあって、花活はないけに花の絶えたことがない……というと結構らしいが、其代り真夏にも寒菊がいけてあったりする。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
人形いけるがごとくに遣い、この太夫に、三味線はこよ女、いずれも古今に名誉の人、二人立揃いてつとめられし世に双絶の見物と、称誉せられしはこれなり。
釘抜藤吉捕物覚書:11 影人形 (新字新仮名) / 林不忘(著)
口の裂けた白黒まだらのいぬの、前脚を立てた姿が、雨浸あめじみに浮び出でて朦朧もうろうとお札の中にあらわれていけるがごとし。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)