泣訴きゅうそ)” の例文
背に腹はかえられぬと、ついに、危険なる思想的侵略主義の国へ泣訴きゅうそして、その援助を乞うという苦しまぎれの下策に出たのであった。
三国志:09 図南の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やつめ、宿老に泣訴きゅうそし、殿のお袖にすがりおった」
彼らの泣訴きゅうそするところを聞くと、天蔵の悪事は、茶わん屋へ夜盗にはいっただけの一事にはとどまらない。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
遂には、玉座に迫って、帝の御衣ぎょいにすがって、泣訴きゅうそした。帝は、当惑そうに
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むかし濮陽ぼくよう呂布りょふを攻めて呂布にもてあそばれ、宛城えんじょう張繍ちょうしゅうと戦うて敗走し、また赤壁に周瑜しゅうゆを恐れ、華容かように関羽に遭って泣訴きゅうそして命を助かり、なおなお、近くは渭水いすい潼関どうかんの合戦に、ひげを切り
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)