没収ぼっしゅう)” の例文
旧字:沒收
そのあげく、彼らの商品はすっかりおさえられ、そしてそのまま没収ぼっしゅうされたものもあり、とんでもない安値やすねで強制買上げになったものもあった。
一坪館 (新字新仮名) / 海野十三(著)
奥からの注意で店員共が取り調べられ結局佐助の所為と分って一番番頭の前に呼びつけられ大眼玉をくらった上に以後は断じてまかりならぬと三味線を没収ぼっしゅうされたことは当然の成行を見た訳であるが
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
また其事それを知って政府に告げざる者は財産を没収ぼっしゅうされるものである
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
「さてはやはり、没収ぼっしゅう大名の家来だったか」
柳生月影抄 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と言って没収ぼっしゅうしてしまった。
親鳥子鳥 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
そういえば、ハッキリ刑務所の人間となるときに、私は千番に一番のかねいという冒険をしたのだった。あのとき、私のあらゆる持ちものは没収ぼっしゅうされ、ぱだかにしてほうり出されたのだ。
柿色の紙風船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
それでこの人頭税というものは随分苦しい税ですけれども、納めなければぐられた上に自分の財産を没収ぼっしゅうされてしまいますから、非常な苦しい思いをしてもとしの暮には人頭税を納めなければならん。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)