江府こうふ)” の例文
いまの元禄の江府こうふや、諸〻もろもろの小都市は、そうした弊風へいふうすさみきっていた。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
芝の源助町に道場をひらいて荒剣こうけんぷう江府こうふの剣界を断然リードして、そのうで、そのたん、ともに無人の境を行くの概あった先生に、神保造酒じんぼうみきという暴れ者があった。神保造酒……無形むぎょう刀流とうりゅう正伝しょうでん
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
再び、朱総しゅぶさをしごきざま、ちゅう鳴りして来る江府こうふばん壁辰の十手だ。喬之助は、この場合、血を好まなかった。が、こうなってはもう止むを得ない。裸身はだかのままたもとひそませていた河内太郎蛇丸かわちたろうじゃまるの短剣だ。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)