永井荷風ながゐかふう)” の例文
永井荷風ながゐかふう氏宛のも沢山たくさんあつた。それは皆どう云ふわけか、荷風堂かふうだう先生と云ふ宛名だつた。「荷風堂は可笑をかしいな。森先生ともあらうものが。」
本の事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
(後者は永井荷風ながゐかふう氏の比喩ひゆなり。かならずしも前者と矛盾むじゆんするものにあらず)予の文に至らずとせば、かかる美人に対する感慨をおもへ。
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
煙を揚げる英吉利イギリスの船。「港をよろふ山の若葉に光さし……」顱頂ろちやう禿げそめた斎藤茂吉さいとうもきち。ロテイ。沈南蘋しんなんぴん永井荷風ながゐかふう
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
もつとも女に惚れられても、大した損はする男にあらず。永井荷風ながゐかふう、ゴンクウル、歌麿等うたまろらの信者なりしが、この頃はトルストイなどをかつぎ出すことあり。
学校友だち (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
近来随筆の流行漸く盛んならんとするに当つて、随筆を論ずる者、必ず一方いつぱう永井荷風ながゐかふう氏や、近松秋江ちかまつしうかう氏を賞揚し、一方に若い人人のそれを嘲笑てうせうする傾向がある。
解嘲 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
(こはつと永井荷風ながゐかふう氏の「日本の庭」の一章たる「梅」の中に道破せる真理なり。文壇は詩人も心臓以外に脳髄を有するの事実を認めず。これ予に今日こんにちこの真理を盗用せしむる所以ゆゑんなり。)
続野人生計事 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
一腔いつかうの詩情ほとんど永井荷風ながゐかふう氏を想はしむるものありと云ふべし。(二月十一日)