水道端すいどうばた)” の例文
一体この水道端すいどうばたの通は片側に寺が幾軒となくつづいて、種々いろいろの形をした棟門むねもんを並べている処から、今も折々私の喜んで散歩する処である。
其方そちは加減がわるいと云って引籠ひきこもっているそうだが、どうじゃナ、手前に少し話したいことがあって呼んだのだ、ほかの事でもないが、水道端すいどうばたの相川におとくという今年十八になる娘があるナ
□大杉栄氏は小石川区水道端すいどうばた二ノ十六に仏蘭西フランス文学研究会をおいて毎週土曜の夜高等科では一回読み切りの小説脚本、講演等を講義し猶別に初等科をおいて仏語を初歩から教授なさるさうです。
小石川水道端すいどうばたなる往来おうらいの真中に立っている第六天だいろくてんほこらそば、また柳原通やなぎわらどおりきたな古着屋ふるぎやの屋根の上にも大きな銀杏が立っている。
御親父様の御名跡ごみょうせきをおぎ遊ばし、平左衞門と改名され、水道端すいどうばた三宅みやけ様と申上げまするお旗下はたもとから奥様をお迎えになりまして、程なく御出生ごしゅっしょうのお女子にょしをおつゆ様と申し上げ、すこぶ御器量美ごきりょうよしなれば
小石川の高台はその源を関口の滝に発する江戸川に南側の麓を洗わせ、水道端すいどうばたから登る幾筋の急な坂によって次第次第に伝通院の方へと高くなっている。
伝通院 (新字新仮名) / 永井荷風(著)