よはひ)” の例文
旧字:
私はこんな手合ひとよはひするのを恥とするやうな気もちでわざと彼らよりは一段高く調子をはづして歌つた。
銀の匙 (新字旧仮名) / 中勘助(著)
国事を言つたために謹慎を命ぜられ、伏見宮家職かしよく田中氏にあづけられた。後に失行があつたために士林のよはひせざる所となり、須磨明石すまあかし辺に屏居へいきよして歿したらしいと云ふことである。
津下四郎左衛門 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
彼は人のよはひせざる国法の罪人となりをはれり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
榛軒の妻勇は其よはひつまびらかにしない。蘭軒の姉正宗院幾勢きせは五十九であつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
始て柏軒につかへた時の春のよはひは二十四歳である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)