此様このよう)” の例文
旧字:此樣
奥様の方では、少しも御存じのない男から、突然、此様このよう無躾ぶしつけな御手紙を、差上げます罪を、幾重いくえにもお許し下さいませ。
人間椅子 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
然も紙屑屋かみくずやとさもしき議論致されては意気な声もききたくなく、印付しるしつき花合はなあわまけても平気なるには寛容おおようなる御心おこころかえって迷惑、どうして此様このようめす配偶つれあいにしたかと後悔するが天下半分の大切おおぎり
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
われ当世の道理はしらねど此様このような気に入らぬ金受取る事大嫌だいきらいなり、珠運様への百両はたしかに返したれど其人そのひとに礼もせぬ子爵からこの親爺おやじ大枚たいまいの礼もらう煎豆いりまめをまばらの歯でえと云わるゝより有難迷惑
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)