正路せいろ)” の例文
〔譯〕遠方えんぱうに歩をこゝろむる者、往往にして正路せいろすてて、捷徑せうけいはしり、或はあやまつて林※りんまうに入る、わらふ可きなり。人事多く此にるゐす。とくに之をしるす。
加ふるに悋気りんきつつしまば妓となるとも人に愛され立てられて身を全うし得べし。いはんや正路せいろの妻となるにおいてをや。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
但し俳句に入る人繊巧より佶屈より疎大より滑稽よりおのおの道を選びて進むこと勿論なれども、平易より進む方最も普通にしてしかも正路せいろなりと思ふが故に、ここに平易なる句を抜萃ばっすいせり。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)