たばか)” の例文
しかるときは、われはわが胸に君を掻きいだきゐるがごとき心ちす、ひねもす心も切に恋ひわたりゐし君を。ああ、甘き睡りよ、われをたばかりてなりとも慰めよ。
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
以て拙僧よろしく御取持せん思しめしもあらばうけたまはらんと説法口せつぱふぐちべんに任せて思ふ樣にたばかりければ四人の者共は先頃さきごろよりの寺の動靜やうす如何樣かく有んと思へど誰もたくはへは無れど永代えいだいの家のかぶと無理にも金子調達てうだつ仕つらんそれには御實情じつじやうの處もうかゞひたしといふに心得たりと常樂院はおくおもぶき此由を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)