権道けんどう)” の例文
かかる大切たいせつの場合にのぞんでは兵禍へいかは恐るるにらず、天下後世国を立てて外に交わらんとする者は、努〻ゆめゆめわが維新いしん挙動きょどうを学んで権道けんどうくべからず
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
人により家庭の事情により夫婦とも外で働くということも、また一家のためである以上は、夫婦共稼ぎは権道けんどうであって、一般には推奨すべきでないが、決してけなすべき事ではない。
夫婦共稼ぎと女子の学問 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
いわく、何事にも変通といふ事あり。知らずんばあるべからず。すなわ権道けんどうなり。かたきを先にするは聖人の教へなれども、これは先づ仕事を先にしてしかして後に賃金を取れと云ふがごとき教へなり。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
維新前後の吾身わがみ挙動きょどうは一時の権道けんどうなり、りに和議わぎを講じて円滑えんかつに事をまとめたるは、ただその時の兵禍へいかを恐れて人民を塗炭とたんに救わんがめのみなれども、本来立国りっこくの要は瘠我慢やせがまんの一義に
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)