棄兒すてご)” の例文
新字:棄児
承まはり久八は豫て探索たづねる我が子なることを知りおどろき入申候もつとも其時の證據と申は其後御當地上野の御山内四軒寺町本學院の和尚をしやう先年私し藤川宿へ棄兒すてごせしあとへ通り掛り棄兒を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
橋の袂に赤合羽一枚に包んで棄ててあつた棄兒すてごのことを念入りに訊き出してくれ。
棄兒すてごの棄兒の TONKA JOHN
思ひ出:抒情小曲集 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
「大川橋の橋番を三十年も勤めた喜之助といふ親爺はこの春死にましたよ。二十年前の大晦日の晩に、赤合羽あかがつぱに包んだ棄兒すてごのことは、よく話してゐたさうです——それつきりのことですが」
罷り下り候へども道中の事故小兒のちゝこまはて旅費りよひたくはへとてものこり少なになり漸々やう/\三州藤川宿迄で參りし折柄不便ふびんには候得共餓死がしせんよりはと存じ同宿の町外まちはづれへ棄兒すてごに仕つり候然るに只今六右衞門久八兩人よりの申立を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「いえ、あれは棄兒すてごで」