桓武かんむ)” の例文
こゝに記す通りその本名は平定文(或は貞文)で、桓武かんむ天皇の孫の茂世もちよ王の孫に当り、右近中将従四位上平好風の男である。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
この物々しい群集は、桓武かんむの流れをくみ、南国の一角に千年の王者たりし一貴族の末裔、侯爵大伴宗久の精神鑑定のために突如として侵入したものであった。
おなじ武門といっても、清和せいわ桓武かんむの二系列このかた、大略、源平二氏の武族があり、旗幟きしも紅白にわかれて、あまねく、ひとつ地上を、ふた色に住んでいます。
随筆 新平家 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大法鼓だいほうこを鳴らし、大法螺だいほうらを吹き、大法幢だいほうとうてて王城の鬼門をまもりしむかしは知らず、中堂に仏眠りて天蓋てんがい蜘蛛くもの糸引く古伽藍ふるがらんを、いまさらのように桓武かんむ天皇の御宇ぎょうから堀り起して、無用の詮議せんぎ
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
桓武かんむ天皇——葛原親王かつらはらしんのう——高見王たかみのおう——平高望たいらのたかもち——平良持よしもち——そして今の相馬の小次郎。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その御子が桓武かんむ天皇である。
安吾史譚:02 道鏡童子 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
公事根源くじこんげん」によれば、桓武かんむ天皇の延暦えんりゃく十一年の冬
桓武かんむ天皇第五の皇子
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)