桓武天皇かんむてんのう)” の例文
春寒はるさむを深み、加茂川かもがわの水さえ死ぬ頃を見計らって桓武天皇かんむてんのうの亡魂でも食いに来る気かも知れぬ。
京に着ける夕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
坂上田村麻呂さかのうえのたむらまろいまから千年余ねんあまりもむかし桓武天皇かんむてんのう京都きょうとにはじめて御所ごしょをおつくりになったころ、天子てんしさまのおともをして奈良ならみやこからきょうみやこうつってたうちの一人ひとりでした。
田村将軍 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
桓武天皇かんむてんのう御代みよ巍石鬼ぎせっきという鬼が有明山に登って、その山腹なる中房山なかぶさやまに温泉の湧くのを発見し、ここぞ究竟くっきょうのすみかと、多くの手下を集めて、自ら八面大王と称し
大菩薩峠:25 みちりやの巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
小松平重盛公こまつたいらのしげもりこうのお血すじ、さらに、さかのぼれば、畏れ多くも、平氏へいし桓武天皇かんむてんのうよりわかれ給うところ、申さば、金枝玉葉の御血のしずくをすら、今のお身に伝えておうけなされているのでござりますぞ。
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)