格闘たたかい)” の例文
二人は引組ひっくんだままで崖から転げ落ちると、下には幸いに熊笹が茂っていたので、身体には別に怪我けがもなかった。けれども、格闘たたかいのままにまなかった。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
それに筋骨のたくましさ、腕力のすぐれていること、まあ野獣と格闘たたかいをするにもえると言いたい位で、容貌かおつきは醜いと言いましても、強いすこやかな農夫とは見えるのでした。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
先刻さっきからの格闘たたかいで疲れたと見えて、流石さすがの彼も切なそうに肩で息をしていた。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)