はづれ)” の例文
挨拶をして、部屋を出て、玄関正面へて、向を見ると、長い廊下のはづれ四角しかくに切れて、ぱつとあかるく、おもてみどりうつあがぐちに、池の女が立つてゐる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
顔をげて、中休なかやすみに、館内を見廻すと、流石さすがに図書館丈あつて静かなものである。しかも人が沢山ゐる。さうして向ふのはづれにゐる人のあたまが黒く見える。眼口めくちは判然しない。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)