-
トップ
>
-
木筒
>
-
きづゝ
坂本は敵が見えぬので、「待て/\」と制しながら、
神明の
社の角に立つて見てゐると、やう/\烟の中に
木筒の口が現れた。
さうすると
内骨屋町筋から、
神明の
社の角をこつちへ曲がつて来る
跡部の
纏が見えた。二町足らず隔たつた
纏を
目当に、格之助は
木筒を打たせた。
四辻の
辺に敵の遺棄した品々を拾ひ集めたのが、
百目筒三挺車台付、
木筒二挺内一挺車台付、
小筒三挺、其外
鑓、旗、太鼓、火薬
葛籠、
具足櫃、
長持等であつた。