木幡こはた)” の例文
山科やましな木幡こはたやまうまはあれどかちおもひかね 〔巻十一・二四二五〕 柿本人麿歌集
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
お使いの男は木幡こはた山を通るのに、雨気の空でことに暗く恐ろしい道を、臆病おくびょうでない者が選ばれて来たのか、気味の悪い篠原ささはら道を馬もとめずに早打ちに走らせて一時間ほどで二条の院へ帰り着いた。
源氏物語:48 椎が本 (新字新仮名) / 紫式部(著)
かれ木幡こはたの村に到ります時に、その道衢ちまたに、顏き孃子遇へり。
「木幡」は地名、山城の木幡こはたで、天智天皇の御陵のある山科やましなに近く、古くは、「山科の木幡こはたの山を馬はあれど」(巻十一・二四二五)ともある如く、山科の木幡とも云った。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
木幡こはたの道に 遇はしし孃子をとめ
青旗あをはた木幡こはたの上をかよふとはにはれどもただはぬかも 〔巻二・一四八〕 倭姫皇后
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)