)” の例文
旧字:
百七十二箇所のトンネルをくぐる滇越てんえつ鉄路の難所も、瘴癘しょうれい無人の魔所も見て来たがつてこんな陰惨な光景に出会ったことはなかった。
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)
その所有物を奪った憎むべき男という感は、つて時雄がその下宿でこの男を見た時の感と甚だよく似ていた。
蒲団 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
 幕府の三せき布衣ほい、国を憂ふることをゆるさず。その是非、われつて弁争せざるなり。
留魂録 (新字旧仮名) / 吉田松陰(著)
一九四〇年……つて雲烟万里うんえんばんりの秘境として何者の侵攻も許さなかった雲南うんなん府も、不安と焦燥のうちにその年を越そうとしていた。
雲南守備兵 (新字新仮名) / 木村荘十(著)