書架しょか)” の例文
見えるのは、茶具、香炉、書架しょかの書巻などであったから、何となく気もおちつき、道誉の人柄までが、これまでになく優雅に思えた。
私本太平記:05 世の辻の帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
数日後ニネヴェ・アルベラの地方をおそった大地震だいじしんの時、博士は、たまたま自家の書庫の中にいた。彼の家は古かったので、かべくず書架しょかたおれた。
文字禍 (新字新仮名) / 中島敦(著)
正法眼蔵しょうぼうげんぞう』に「梅花の巻」といわれているものがある。かれはそうと気がついて、急に見たくなって、そば書架しょかがあれば、手を出してその本を探したいような心持がした。
その時ヘルンは、だまって彼女を書架しょかの前に導き、彼の尨大ぼうだいな著作全集を見せて言った。この沢山の自分の本は、一体どうして書けたと思うか。皆妻のお前のお蔭で、お前の話を聞いて書いたのである。