書方かきかた)” の例文
向島むかうじま武蔵屋むさしや奥座敷おくざしき閑静しづかからう、丁度ちやうど桜花さくらも散つてしまうた四ぐわつ廿一にちごろと決したが、其披露文そのちらし書方かきかたが誠に面白おもしろい。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
根拠地のない戦争の様なものである。のみならずわるく解釈すると、政略的の意味もあるかも知れない書方かきかたである。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)
甲上を取った書方かきかたを見付けられた小娘のように、極り悪そうにニッコリした妙子を見ると、私はいきなり引き寄せて、その頬の上の真珠色の涙を啜ってやらなければ承知しませんでした。
私の書方かきかたは、あんまり一葉女史を知ろうために、急ぎすぎていはしまいか。
樋口一葉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)