曙光しよくわう)” の例文
臙脂ゑんじの中にこい橄欖オリイブを鮮かに交へた珍しい曙光しよくわうを浴びた我船わがふね徐徐じよじよとマラツカ海峡の西の出口ペナン島の港にはひつた。
巴里より (新字旧仮名) / 与謝野寛与謝野晶子(著)
かし姉さん、旧思想の黒雲を誰か先づ踏み破る人が出なければ、世に改革の曙光しよくわうを見ることが出来ないと云ふのが、姉さんの主張ではありませんか、——今ま貴嬢あなたただに旧思想のみならず
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
最早もう、二時」と、梅子はかしらを垂れぬ、警吏の向ふべき日は、既に二時を経過せるなり、曙光しよくわう差しきたるの時は、すなはち篠田が暗黒の底に投ぜらるべきの時なり、三年の煩悶はんもんを此の一夜いちやに打ち明かして
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
発砲を拒む兵士あり、我等は既に露西亜の曙光しよくわうを見たり
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)