のびや)” の例文
余りに晴れ晴れとしたのびやかさだった。どこかへ……まん円いものが転っていって見えなくなっていた。涙が出そうなほどすがすがしい胸心地だった。
童貞 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
かへりて仕合好しあはせよしと、貫一は打労うちつかれたる身をのびやかに、障子の月影に肱枕ひぢまくらして、しばら喫烟きつえんふけりたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
塵の世のわづらひよりのがれ、理路のむづかしきを辿らで、のびやかなるこころは
松浦あがた (新字旧仮名) / 蒲原有明(著)