新枕にいまくら)” の例文
その晩のおとく孝助の新枕にいまくらを「玉椿八千代までと思い思った夫婦中、初めての語らい、誠にお目出たいお話でございます」
怖いまぎれにお累は新吉にすがり付く、その手を取って新枕にいまくら、悪縁とは云いながら、たった一晩でお累が身重になります。これが怪談のはじめでございます。
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「ええ、多一さん、新枕にいまくら初言葉ういことばと、私もここでちゃんと聞く。……女子おなごは女子同士やよって、美津さんの味方して、私が聞きたい。貴方はそうはなかろうけど、男は浮気な……」
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
呼べ、と言えば、おんなどもが愚図ぐず々々ぬかす。新枕にいまくら長鳴鶏ながなきどりがあけるまでは待かねる。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
実に玉椿の八千代までと新枕にいまくらかわせ、それから夫婦共稼ぎを致しまして、少しも油断をしませんから、たちまち身代を仕出しましたにつき、多助はかねての心願通り沼田のいえを立派に再興致し
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)