敷浪しきなみ)” の例文
北方、七尾城との連絡を断つためには、羽咋はくい川と末森城との中間地帯——出浜ではま敷浪しきなみあたりに、一線を布陣して、海上をも監視させた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
少彦名命すくなひこなのみこと熊野くまの御碕みさきから、彼方かなたへ御渡りなされたというのもなつかしいが、伊勢を常世とこよなみ敷浪しきなみする国として、御選びになったという古伝などはとくに殊勝しゅしょうだと思う。
海上の道 (新字新仮名) / 柳田国男(著)
敷浪しきなみ法喜ほふき傳へて御惠みめぐみに何日かははむ。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
……何よりの証拠には、まず敵は、七尾とこことの中間、敷浪しきなみにも兵をやり、津幡とこことの間の川尻かわじりにも、逸早いちはやく、兵をくばっている。なんのためか、存じておるか
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)