摘出てきしゅつ)” の例文
彼は確実に子宮の位置を知り、かつ、いかにしてそれを傷つけずに摘出てきしゅつするか、その最善方法をも専門的に心得ていた。
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
光枝の愕きはのちに帆村が大花瓶の中に仕掛けた録音線ろくおんせんから、主人公の寝言を摘出てきしゅつしたときに絶頂に達した。
什器破壊業事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
背に射ちこまれた弾丸を摘出てきしゅつするのである。
花と龍 (新字新仮名) / 火野葦平(著)
そのなかでなんらかの点で有名になった事件のみを摘出てきしゅつしても、いま言った九月八日ハンベリイ街のアニイ・チャプマン殺し、バックス・ロウ街事件
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
異常興奮曲線を摘出てきしゅつしたばかりか、人間にあまねく異常性素質の潜在していることを指摘し、これをキド現象と名付けたのだから、誰しもおどろくのも無理はなかった。
キド効果 (新字新仮名) / 海野十三(著)
第五図のあのK興奮の曲線は博士が、不識ふしきのうちにみずからこの『キド効果』を摘出てきしゅつされたのに過ぎません
キド効果 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そしてそれらを玩弄がんろうした痕跡歴然たるものがあり、のみならず、子宮だけがたくみに摘出てきしゅつして持ち去ってあったことなど、これらはすべて前回に記述したとおりである。
女肉を料理する男 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
こんなはずはないというので、イギリスのスパイ群がいろいろ動いたあげく、いまの、スタンレイ・ランドルフ大尉とマタ・アリとのロマンスが、初めて摘出てきしゅつされたのだった。
戦雲を駆る女怪 (新字新仮名) / 牧逸馬(著)
たとえば銀座の舗道ほどうの上に立って、一時間のうちに自分の前をすぎるギンブラ連中の服装を記録し、こいつを分類してギンブラ人種の性質を摘出てきしゅつし大胆な結論を下すことにある。
階段 (新字新仮名) / 海野十三(著)
三十九枚の曲線から、博士が最後に摘出てきしゅつしたものは三枚で、これが烏山からすやま栄二郎、磯谷狂助いそたにきょうすけ犬塚豹吉いぬつかひょうきちという人間から得たものだった。三人は未だに、博士の研究室に監禁せられている。
キド効果 (新字新仮名) / 海野十三(著)
つまり瀬尾教授の場合は、例えばここに交通事故があって肝臓を破って死にひんした男があったとすると、これを即時手術してその肝臓を摘出てきしゅつして捨て、それに代って、在庫の肝臓を移植する。
大脳手術 (新字新仮名) / 海野十三(著)
早いところその核心かくしん摘出てきしゅつして、犯人を検挙せにゃいかん
鞄らしくない鞄 (新字新仮名) / 海野十三(著)