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掛行燈
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かけあんどう
ふりがな文庫
“
掛行燈
(
かけあんどう
)” の例文
新字:
掛行灯
掛行燈
(
かけあんどう
)
が赤く火を入れて、帰り遅れた馬の鈴が、だんだん近くなつて来るなんぞは、手もなく浮世画の雪景色よ。
鼠小僧次郎吉
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
その混雑のあいだに一軒の虫売りが
市松障子
(
いちまつしょうじ
)
の家台をおろしている。松虫、鈴虫、
草雲雀
(
くさひばり
)
のたぐいが
掛行燈
(
かけあんどう
)
の下に声をそろえて鳴く。ガチャガチャ虫がひときわ高く鳴き立てている。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
梓はその感情をもって、その土地で、しかも湯島
詣
(
もうで
)
の
朝
(
あした
)
、
御手洗
(
みたらし
)
の前で、
桔梗連
(
ききょうれん
)
の、若葉と、
幟
(
のぼり
)
と、
杜鵑
(
ほととぎす
)
の
句合
(
くあわせ
)
の
掛行燈
(
かけあんどう
)
。雲が切れて、
梢
(
こずえ
)
に残月の墨絵の新しい、
曙
(
あけぼの
)
に、蝶吉に再会したのである。
湯島詣
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
だから「
諸国銘葉
(
しよこくめいえふ
)
」の柿色の
暖簾
(
のれん
)
、「
本黄楊
(
ほんつげ
)
」の黄いろい櫛形の
招牌
(
かんばん
)
、「
駕籠
(
かご
)
」の
掛行燈
(
かけあんどう
)
、「
卜筮
(
ぼくぜい
)
」の
算木
(
さんぎ
)
の旗、——さう云ふものが、無意味な一列を作つて、
唯
(
ただ
)
雑然と彼の眼底を通りすぎた。
戯作三昧
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
だから「諸国
銘葉
(
めいよう
)
」の柿色の
暖簾
(
のれん
)
、「
本黄楊
(
ほんつげ
)
」の黄いろい
櫛形
(
くしがた
)
の
招牌
(
かんばん
)
、「
駕籠
(
かご
)
」の
掛行燈
(
かけあんどう
)
、「
卜筮
(
ぼくぜい
)
」の
算木
(
さんぎ
)
の旗、——そういうものが、無意味な一列を作って、ただ雑然と彼の眼底を通りすぎた。
戯作三昧
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
掛
常用漢字
中学
部首:⼿
11画
行
常用漢字
小2
部首:⾏
6画
燈
部首:⽕
16画
“掛行”で始まる語句
掛行灯