振被ふりかぶ)” の例文
という声をあてにして安田一角が振被ふりかぶる折から、むこうの方から来る者がありますが、大きな傘を引担ひっかついで、下駄も途中で借りたと見えて、降る中を此処こゝに来合わせましたは
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
うぬ、業畜生、」と激昂げっこうの余り三度目の声は皺嗄しわがれて、滅多打に振被ふりかぶった、小手の下へ、恐気おそれげもなく玉のかんばせ、夜風に乱るる洗髪の島田をと入れて、敵と身体からだの擦合うばかり
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)