“ふりかぶ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
振被66.7%
振冠33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
という声をあてにして安田一角が振被ふりかぶる折から、むこうの方から来る者がありますが、大きな傘を引担ひっかついで、下駄も途中で借りたと見えて、降る中を此処こゝに来合わせましたは
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
うぬ、業畜生、」と激昂げっこうの余り三度目の声は皺嗄しわがれて、滅多打に振被ふりかぶった、小手の下へ、恐気おそれげもなく玉のかんばせ、夜風に乱るる洗髪の島田をと入れて、敵と身体からだの擦合うばかり
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
傳次は驚いて逃げに掛る処を袈裟掛けさがけに切りましたから、ばったり倒れると、柳田典藏は残念に思い、この乱暴人と自分の乱暴人を忘れ振冠ふりかぶって切掛ける。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
四辺あたり粛然しんとして水を撒いたよう。お繼は鉄切声かなきりごえ、親の敵と呼んで振冠ふりかぶったなり、面体めんていも唇の色も変って来る。うなると女でも男でも変りは無いもので
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
怖いからあとさがって居たが、今鼻の先へ巡礼が倒れ、大の侍が振冠ふりかぶって切ろうとするから、人情で怖いのを忘れて、宰取棒で水司又市の横っつらをぽんとった。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)