担夫かつぎ)” の例文
蕎麦屋の担夫かつぎ午砲どんが鳴ると、蒸籠せいろたねものを山のように肩へ載せて、急いで校門をはいってくる。ここの蕎麦屋はあれでだいぶもうかるだろうと話している。
三四郎 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
寺院は随一の華主とくいなる豆府とうふ屋の担夫かつぎ一人、夕巡回ゆうまわりにまた例の商売あきないをなさんとて、四ツ谷油揚坂あぶらげざかなる宗福寺にきたりけるが、数十輛の馬車、腕車わんしゃ梶棒かじぼうを連ね輪をならべて、肥馬いななき、道を擁し、馭者ぎょしゃ
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
近頃学校の先生がひるの弁当に蕎麦そばを食ふものが多くなつたと話してゐる。蕎麦屋そばや担夫かつぎ午砲どんが鳴ると、蒸籠せいろたねものを山の様に肩へ載せて、急いで校門を這入つてくる。
三四郎 (新字旧仮名) / 夏目漱石(著)