折革包をりかばん)” の例文
をとこ道子みちこくちからまかせになにふのかといふやうなかほをして、ウム/\と頷付うなづきながら、おもさうな折革包をりかばんみぎひだりちかへつゝ、かれてはしをわたつた。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
と言ひ乍ら山田は渋々しぶ/″\二重まはしを脱いだ。下にはまがひの大島がすりの羽織と綿入わたいれとを揃へて着て居る。美奈子は挨拶もせずに下へりて行つた。執達吏は折革包をりかばんから書類と矢立やたてとを出した。
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)