打突ぶっつ)” の例文
猟犬いぬどもが外へ出られると思ってむやみと脚へ打突ぶっつかって来るのを、彼は靴で蹴かえしながら、突然ヤッといって屍体を頭上に高くしあげたと思うと
犬舎 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
「このたびの甲州入りは、なにもあの者共を追い廻すために来たのではない、歩いている間に打突ぶっつかって来たら、つかまえてみるがよし、逃げて行ったら逃がしておくがよし」
彼奴きゃつ等が巨大おおきな体で打突ぶっつかるものだから、犬舎いぬごやが今にもはち切れそうな音がする。
犬舎 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
本人に向って直接じか打突ぶっつかってみるがよろしい、ぬしのあるものならばやむを得んが、主のない者ならば諸君の器量次第である、もしまた将を射んとして馬をねらうの筆法に出でんと思うならば
どこへ行っても、今頃は、こんなの多いのに打突ぶっつかることが珍らしくない。いや、竜之助は、これよりもっともっと生命知いのちしらずの新撰組や、諸国の浪士の間に白刃しらはの林をくぐって来た身だ。
このあおりを食って宇津木兵馬も、人波の中に揉まれていなければならなくなったし、奥方様という女乗物の一行が、まともにそれと打突ぶっつかったのは気の毒でもあり、慮外千万な出来事でもありました。
大菩薩峠:14 お銀様の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)