扁柏ひのき)” の例文
杜松ねず扁柏ひのき金松かさやまきや、花柏さわらや、そうして羅漢松おすとのろうなどが、鬱々蒼々と繁ってい、昼なお暗いところもあれば、カラッと開けて急に眼の下へ、耕地が見えるというような
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
町を行きつくして村境むらざかいに出た。昨夜トムと𤢖とが闘ったもみの林を過ぎると、みちは爪先上りにけわしくなって来た。落葉松からまつ山毛欅ぶな扁柏ひのきの大樹が日をさえぎって、山路やまみち漸次しだいに薄暗くなって来た。
飛騨の怪談 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)