トップ
>
我物顔
>
わがものがお
ふりがな文庫
“
我物顔
(
わがものがお
)” の例文
旧字:
我物顏
振り向いて西の空を仰ぐと阿蘇の分派の一峰の右に新月がこの窪地一帯の村落を
我物顔
(
わがものがお
)
に澄んで
蒼味
(
あおみ
)
がかった水のような光を放っている。
忘れえぬ人々
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
辞
(
ことば
)
を厚うし、身を
謙下
(
へりくだ
)
っても後学のために見ておきたいと思っていたところでありましたが、神尾があんまり
我物顔
(
わがものがお
)
に思わせぶりをするものだから
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
弘一君は一人息子なので、広い邸を
我物顔
(
わがものがお
)
に、
贅沢三昧
(
ぜいたくざんまい
)
に暮していた。
親爺
(
おやじ
)
は陸軍少将だけれど、先祖がある大名の重臣だったので、彼の家は
却々
(
なかなか
)
のお金持ちである。
何者
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
つまり
鵜呑
(
うのみ
)
と云ってもよし、また機械的の知識と云ってもよし、とうていわが所有とも血とも肉とも云われない、よそよそしいものを
我物顔
(
わがものがお
)
にしゃべって歩くのです。
私の個人主義
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
幇間
(
たいこもち
)
の正孝と表徳が帰った跡で、若草は伊之助が許嫁の女房を呼んで、
我物顔
(
わがものがお
)
に
楽
(
たのし
)
んで居る、それゆえ叔母さんが往った時にも、自分が出て逢おうでもなく、
不待遇
(
ぶあしら
)
いをしたうえ
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
「出すかね。」と、イムバネスが
我物顔
(
わがものがお
)
に声をかけた。馭者はそれには答えずに
帰途
(新字新仮名)
/
水野葉舟
(著)
三尺
(
さんじゃく
)
を腰低く前にて結びたる
遊
(
あそ
)
び
人
(
にん
)
らしき男一人、両手は
打斬
(
うちき
)
られし如く両袖を落して、少し
仰向
(
あおむき
)
加減に大きく口を明きたるは、春の
朧夜
(
おぼろよ
)
を
我物顔
(
わがものがお
)
に
咽喉
(
のど
)
一杯の声張上げて
投節
(
なげぶし
)
歌ひ行くなるべし。
江戸芸術論
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
身に金鉄の
装
(
よそお
)
いがあるわけではなく、腕に武術の覚えがあるわけではなく、時は、この物騒な江戸の町の深夜を
我物顔
(
わがものがお
)
に、たった一人で歩くということの
大菩薩峠:19 小名路の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
我
常用漢字
小6
部首:⼽
7画
物
常用漢字
小3
部首:⽜
8画
顔
常用漢字
小2
部首:⾴
18画
“我物”で始まる語句
我物
我物顏