成跡せいせき)” の例文
共に祖先の口碑こうひをともにして、旧藩社会、別に一種の好情帯を生じ、その功能こうのうは学校教育の成跡せいせきにも万々ばんばんおとることなかるべし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
今日までの成跡せいせきを以て見ればいまだ失望の箇条もなく、先ずついやしたる財と労とにむくいけの功をばそうしたるものというべし。
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
また、事を施行するにあたりて、その成跡せいせきはつねに意外に出で、求むるものを得ずして求めざるものを得ること多し。
学者安心論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
かの禁止の言中、おのずから政治の意味あるを知る者なれば、ただ口にこそまつりごとを談ぜざれども、その成跡せいせきはあたかも政談を談ぜざるの政党たるべきのみ。
学問の独立 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
文明の風に多妻多男を嫌忌けんきして、そのこれを嫌忌するの成跡せいせきは甚だ美にして、今日の人の家を成し国を立つるに最も適当し、これに反するものは必ず害をこうむりて免るべからざること
日本男子論 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
その功徳こうとく未だ現われずして、まず廃仏の議論を生じ、その成跡せいせきは神仏同居を禁じ、僧侶の生活を苦しめ、信者の心を傷ましめ、全国神社・仏閣の勝景美観を破壊して、今日の殺風景をいたしたるのみ。
学問の独立 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)