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懾
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おそ
ふりがな文庫
“
懾
(
おそ
)” の例文
父忠兵衛も牧も、少女の意の
斥
(
さ
)
す所を
暁
(
さと
)
っていたが、父は
憚
(
はばか
)
って
肯
(
あえ
)
て制せず、牧は
懾
(
おそ
)
れて咎めることが出来なかった。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「
由
(
ゆう
)
よ。
吾
(
われ
)
汝に告げん。君子
楽
(
がく
)
を好むは
驕
(
おご
)
るなきがためなり。小人楽を好むは
懾
(
おそ
)
るるなきがためなり。それ
誰
(
だれ
)
の子ぞや。我を知らずして我に従う者は。」
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
開国は
寧
(
むし
)
ろ大胆な、進取的な策であるべき
筈
(
はず
)
なのに、それが因循と云はれたのは、
外夷
(
ぐわいい
)
の脅迫を
懾
(
おそ
)
れて、これに屈従するのだと云ふ意味から、さう云はれたのである。
津下四郎左衛門
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
「
恭
(
きょう
)
にして敬あらばもって勇を
懾
(
おそ
)
れしむべく、
寛
(
かん
)
にして正しからばもって強を懐くべく、温にして断ならばもって姦を
抑
(
おさ
)
うべし」と。子路再拝して謝し、
欣然
(
きんぜん
)
として任に
赴
(
おもむ
)
いた。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
女はただ「存じません、存じません」と云った。玄機にはそれが甚しく
狡獪
(
こうかい
)
なように感ぜられた。玄機は床の上に
跪
(
ひざまず
)
いている女を押し倒した。女は
懾
(
おそ
)
れて目を
睜
(
みは
)
っている。
魚玄機
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
懾
漢検1級
部首:⼼
21画
“懾”を含む語句
懾伏
懾服
畏懾