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憤恚
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いかり
ふりがな文庫
“
憤恚
(
いかり
)” の例文
男は
憤恚
(
いかり
)
心頭に発して、思わず身をかがめて子供を手許へ引きよせたが、その瞬間にアッといって呪いの言葉も喉につかえた。
生さぬ児
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
しかもその語尾は抑え切れない
憤恚
(
いかり
)
にふるえているのが、玉藻にはよく判っているらしかった。二人の話はしばらく途切れた。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
恥
(
はづか
)
しさに、涙に
咽
(
むせ
)
び、声を震はせ、「こは殿にはものに狂はせ
給
(
たま
)
ふか、
何故
(
なにゆゑ
)
ありての
御折檻
(
ごせつかん
)
ぞ」と繰返しては
聞
(
きこ
)
ゆれども、
此方
(
こなた
)
は
憤恚
(
いかり
)
に逆上して、お村の
言
(
ことば
)
も耳にも入らず、無二無三に
哮立
(
たけりた
)
ち
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
兄弟の不和——それから出発して来た兄の
憤恚
(
いかり
)
であるらしいことを、古入道の信西は早くも
看
(
み
)
て取った。
玉藻の前
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
顳顬
(
こめかみ
)
のあたりがずきんずきんして、総身が
憤恚
(
いかり
)
で酔っぱらっているようであった。
麦畑
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
憤
常用漢字
中学
部首:⼼
15画
恚
漢検1級
部首:⼼
10画
“憤”で始まる語句
憤
憤怒
憤懣
憤慨
憤然
憤々
憤激
憤怨
憤恨
憤悶