慈音じおん)” の例文
相州そうしゅう鎌倉地福寺かまくらじふくじ学僧がくそう、一とうりゅうけん妙手みょうしゅとして聞えた慈音じおんというぼうさんのすがたが見えたからである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
心貫流しんかんりゅう丸目文之進まるめぶんのしんだろう。イヤ、吉岡流よしおかりゅう祇園藤次ぎおんとうじだろう。なアに諸岡一羽もろおかいちうなら慈音じおんとちょうどいい勝負、などと衆人しゅうじん下馬評げばひょうからして、このほう活気かっきが立つ。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
才蔵はやりをひくめにつけて慈音じおんせまらんとし、慈音の両眼りょうがんは中段にとった枇杷刀びわとうのミネにすわっている。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
鎌倉の僧慈音じおんだの、その門から興ったといわれる中条流の中条兵庫助だの、念流の樋口家だの、また、剣法中興の人と伝えられている天真正伝神道流の飯篠長威斎いいささちょういさいなどいう人々は
随筆 宮本武蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)