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愉悦
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ゆえつ
ふりがな文庫
“
愉悦
(
ゆえつ
)” の例文
私も近頃は、少しは
飲
(
い
)
ける口でもあり、一家そろって、以前の貧苦を語り草に、晩の御膳でもいただいたら、どんなに
愉悦
(
ゆえつ
)
かわかりません。
新書太閤記:02 第二分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
のみならず僕のこの気持が奥さんに反映し、奥さんも僕と同様に苦しむことを知って、そこにも
愉悦
(
ゆえつ
)
を感じつつあるのです。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
官能的な
刺戟
(
しげき
)
が全身を浸し、変態的な
愉悦
(
ゆえつ
)
にさえ駆られて、狂奮が、胸の血をわくわくと沸き立たせるのを感じるのだった。
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
だって僕は、あなた方さえ知らないような生の
愉悦
(
ゆえつ
)
を、こんな山の中で人知れず
味
(
あじわ
)
っているんですもの。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
たましいは
愉悦
(
ゆえつ
)
のあまり自分の本来の状態を忘れつくして、
唖然
(
あぜん
)
として嘆賞しながら、日に照らされた物体のうちの最も美しいものに、すがりついて離れない——それどころか
ヴェニスに死す
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
▼ もっと見る
とすれば、私を裸体にしてさまざまな姿態に置きかえることに限りない
愉悦
(
ゆえつ
)
を覚えていた夫の所作をも、
悉
(
ことごと
)
く見て知っていたであろうことも想像できる。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
聞き入りながら、お松は頬に涙の筋を光らせて、しかもその甘い涙を
愉悦
(
ゆえつ
)
するかのように
微笑
(
ほほえ
)
んで
旗岡巡査
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そこには
浮世
(
うきよ
)
の時間もなく空間もなく、たゞたゞ
永劫無窮
(
えいごうむきゅう
)
の
愉悦
(
ゆえつ
)
と光明とが溢れて居る
許
(
ばか
)
りであった。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
こうして、京都への上洛は、もう何回になるか知れなかったが、彼の心裡を
窺
(
うかが
)
えば、この旅行は彼にとって、大きな
愉悦
(
ゆえつ
)
でもあり、またその一度一度が、生涯を期する大事業でもあった。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
コノ白イ美シイ皮膚ニ包マレタ一個ノ女体ガ、マルデ死骸ノヨウニ僕ノ動カスママニ動キナガラ、実ハ生キテ何モカモ意識シテイルノダト思ウヿハ、僕ニタマラナイ
愉悦
(
ゆえつ
)
ヲ与エタ。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「いや、
愉悦
(
ゆえつ
)
だ、わしは話したい」
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“愉悦”の意味
《名詞》
愉悦(ゆえつ)
心から喜ぶこと。
(出典:Wiktionary)
愉
常用漢字
中学
部首:⼼
12画
悦
常用漢字
中学
部首:⼼
10画
“愉”で始まる語句
愉快
愉
愉楽
愉樂
愉快相
愉快気
愉快氣
愉園
愉々快々
愉快々々