酒井左衛門尉さえもんのじょう、石川伯耆ほうきなどの家老たちが、家中の人々が聞き知ったところをあつめてのはなしによると、惟任日向守これとうひゅうがのかみ光秀の帰国については
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その間に、都にあっては、叛逆者の一夜将軍、惟任日向守これとうひゅうがのかみが、地盤をかため、この世に、あるべからざる世の中をつくり出してしまうかも知れない。
茶漬三略 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
池田惣三郎殿 同紀伊守殿 同三右衛門殿 堀久太郎殿 惟任日向守これとうひゅうがのかみ殿 細川刑部大輔ぎょうぶたゆう殿 中川瀬兵衛殿 高山右近殿 安部仁右衛門殿 塩川伯耆守ほうきのかみ殿
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「余り親しい者を遣わしては威厳がない。松井友閑まついゆうかん惟任日向守これとうひゅうがのかみ万見仙千代まんみせんちよの三人をろう。——慰撫というよりは、噂の実否をただす使いとして」
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
おおやけ惟任日向守これとうひゅうがのかみとしてははばかりあろうが、ひとりの凡人が、御山のあととむらう意味でなら何のさしつかえもあるまい。わしは明日、微行しのびでそっと山へ行きたい。
新書太閤記:07 第七分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
燕作えんさくでなくても、ひとたびここに立って、一ちょう幻滅げんめつをはかなみ、本能寺変ほんのうじへんいらいの、天下の狂乱をながめる者は、だれか、惟任日向守これとうひゅうがのかみ大逆たいぎゃくをにくまずにいられようか。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
惟任日向守これとうひゅうがのかみたるの誇りもある。断じて、悠々と、ここに膠着こうちゃくを続けてはいられない。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
丹波国にある惟任日向守これとうひゅうがのかみの働きをみろ、天下に面目をほどこしているではないか。次には山陽数ヵ国を平定している筑前守秀吉ちくぜんのかみひでよしにもじたがよい。小身でも池田勝三郎は、花隈はなくま城を攻めおとしている。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)