悪戯盛いたづらざか)” の例文
女博士をんなはかせは困つたなと思つてそのまゝそつと逃げ出さうとしてゐると、内部なかからいて悪戯盛いたづらざかりの女学生が「ばあ」と言つて顔を出した。
悪戯盛いたづらざかりの男の生徒、今日は何時にない大人びた様子をして、羽織袴でかしこまつた顔付のをかしさ。女生徒は新しい海老茶袴えびちやばかま、紫袴であつた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
姉妹きやうだいが世話する叔父をぢさんの子供は二人とも男の児で、年少したの方はふみちやんと言つて、六歳の悪戯盛いたづらざかりであつた。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
悪戯盛いたづらざかりの少年の群は、一時に溢れて、其騒しさ。弁当草履を振廻し、『ズック』の鞄を肩に掛けたり、風呂敷包を背負しよつたりして、声を揚げながら帰つて行つた。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)