怪火かいか)” の例文
今より十四、五年前、東京本所に怪火かいかを現出せしことがあり、その当時の諸新聞にも掲げてあった。今『万朝報よろずちょうほう』の雑報の一節を抜粋せんに
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
怪火かいかがゆらぎ(これは一郎のもっていた懐中電灯のことだ)それから朝になっていってみると、約百頭のもぐらが、折角せっかく手入れしてあったゴルフ場のフェアウェイを
未来の地下戦車長 (新字新仮名) / 海野十三(著)
漁夫たちは艪をこぎながら、帆綱を整えながら、浸水あかをくみ出しながら、その黒い石ころと、模範船の艫から一字を引いて怪火かいかのように流れる炭火の火の子とをながめやる。
生まれいずる悩み (新字新仮名) / 有島武郎(著)
竜灯は海中より怪火かいかが現出して陸上に移り来たるのであるが、これを民間にては竜宮より灯明があがると申している。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
怪火かいか
人造人間エフ氏 (新字新仮名) / 海野十三(著)
野火、狐火きつねび、鬼火、天狗火てんぐび等、種々の怪火かいかある中に、大和国磯城しき郡纏向村近傍に蜘蛛火くもびと名づくる怪火ある由。
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
まず物理的妖怪中、人の最も多く奇怪とするものは怪火かいかである。怪火とは、竜灯、鬼火、狐火きつねび不知火しらぬいのごとき、火のあるまじき所に火光を見る類を申すのじゃ。
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)
かつて狐火きつねび天狗火てんぐびや幽霊火のことは聞いておれども、今見たる火はそのようの怪火かいかではなかろうと知りつつ、なんとなく疑懼ぎくの念が起こり、ことに真っ黒の物の見ゆるのは
おばけの正体 (新字新仮名) / 井上円了(著)
例えば、墓所を通り過ぎて怪火かいかを見ると、すぐに迷信を起こす。
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
第十一、怪火かいか、怪音および異物のこと。等
迷信解 (新字新仮名) / 井上円了(著)