性懲しやうこり)” の例文
その落した大火鉢といふのは、唐銅からかねの恐ろしく重さうな獅噛み火鉢で、少し濡れた灰を戻して性懲しやうこりもなく、もとの場所に据ゑてありました。
それでも親の慈悲や兄のなさけうかして学校へもく様に真人間にしてりたいと思へばこそ性懲しやうこりけよう為に、昨夜ゆうべだつて左様さうだ、一晩裸にして夜着よぎせずに打棄うつちやつて置いたのだ。
妖怪年代記 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
此處にはいつぞやお夢の頭の上に落された唐銅からかねの大火鉢が性懲しやうこりもなく据ゑられて、火もなく鐵瓶てつびんもありませんが、冷たい灰が火鉢の半分程も減らされて居るのでした。