急勝せっかち)” の例文
急勝せっかちに戦いましたが、そうしますと死傷ばかり多くて、ともすれば戦線に隙が出来、まかり違えば敵に背後を突かれるという危険がありました。
仏教人生読本 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
私もああ云う急勝せっかちまことに性に合わないのだけれども、しかしあれから此方、始終雪子ちゃんのことを気に懸けていてくれる井谷さんの親切は感謝しなければならない
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そうか、急勝せっかちだから、いけねえ。苦味走にがんばしった、色の出来そうな坊主だったが、そいつが御前おまえさん、レコに参っちまって、とうとうふみをつけたんだ。——おや待てよ。口説くどいたんだっけかな。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
自分はれっこになっているけれども、急勝せっかちな井谷を待たすことになっては此方も苛々いらいらさせられるのがかなわないので、もう出たこととは思うものの、念のために蘆屋あしやへ電話を申込んだが
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
生れつき急勝せっかちで、注意力が散漫で、じっと一つ事に身を入れることの出来ない奥畑は、見る物と云ってはせいぜい映画ぐらいなところで、芝居などは辛気臭しんきくさがってめったにのぞかないのであるが
細雪:03 下巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)